逃れられない人の心の暗闇。「こころ」夏目漱石

白黒写真の男女小説・エッセイ

今回紹介する本は「こころ」夏目漱石です。

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「あなたは善人ですか? それとも悪人ですか?」と聞かれたら、どう答えますか?
その答えがどちらかはわかりませんが、きっとあなたは「善人でありたい」とは考えていますよね。

では「誰かのため」と「自分のため」のどちらかを選ぶ必要がある場合、あなたはどちらを選びますか?
今回の「こころ」はそんな難問をぶつけてくる小説です。

  • 暗い小説が読みたい
  • 人の心というものを深く考えてみたい

そんなあなたはぜひ、この「こころ」を読んでみてください。

あなたならどうする?

平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変わるんだから恐ろしいのです。

こころ 夏目漱石

「こころ」の魅力は、「自分だったらどうする?」と考えさせられるところです。

「こころ」の物語は大学生の「私」と、仕事をせず自分の持つ資産だけで妻と暮らしている「先生」が、出会うところからはじまります。
「私」と「先生」は親しく交際していくことになるのですが、やがて「私」は「先生」の恐ろしい過去を知ることになります。

「先生」がかつて選択してしまい、「私」と出会ってもなお引きずっている「過去」とは何か。そしてあなたが「先生」ならどう行動していたか

そのような問いかけが「こころ」の魅力になっています。

「こころ」と著者の紹介

「こころ」の著者は夏目漱石
夏目漱石は日本の小説家。江戸時代末期の1867年に生まれ、1916年(大正5年)まで生きた人です。

1905年に「吾輩は猫である」を発表。その後「朝日新聞」に入社し、数々の小説を発表。日本を代表する小説家であり、2004年まで千円札に肖像画が描かれていました。

そして「こころ」は夏目漱石が1914年に書いた長編小説。「朝日新聞」紙上では8番目に書かれた長編小説になります。

「こころ」の構成は「上」「中」「下」の3部に分かれています。
「上」「中」の主人公は「私」。「先生」と出会い、彼と親しくなっていく様子などが描かれます。
そして「下」の主人公は「先生」。「先生」は「私」に宛てた手紙の中で、その恐ろしい過去を明かすことになるのです。

「こころ」のストーリー

暗闇の中に光るハートマーク

「私」から見た「先生」

すでにご紹介したとおり、物語は「私」と「先生」が偶然に出会うところからはじまります。

「先生」は資産もあり、大学に在学中の「私」から見ても余裕のある暮らしをしています。また、「先生」には親し気に暮らしている奥さんもいます。

「私」はやがて、ひと月に何度か「先生」の家に訪問するようになり、親しい交際を続けていきます。
しかし「先生」はどれだけ交際を続けても、どことなく冷ややかな面がありました。そして時折「暗い影」とでも呼ぶべき、説明がつかない「暗い表情」や「後ろ向きな言葉」を「私」に見せることになります。

生活に余裕があり、奥さんもいて、一見幸せに見える「先生」になぜ「暗い影」とも呼べるそんな一面があるのか。「私」も奥さんも「先生」にそのわけを尋ねますが、教えてくれることはありません。

ただ「私」は「先生」のその「暗い影」について、人生の勉強として教えて欲しいと懇願をすることになるのです。
「先生」は自分の「過去」にその原因があると認めたうえで、「過去」はいずれ、いい時期が来たら教えてくれることを「私」に約束します

「先生」が「私」に届けた手紙

やがて「私」は大学を卒業した後、東京を離れ実家に帰ることになります
「先生」の「過去」については、まだ教えてもらっていませんでした。しかし「私」は、いずれまた東京に帰ってくるつもりでした。

実家では父が病気を患っていましたが、その病気は悪化し、予断を許さない状態になってしまいます。そんな最中に、「私」の元に「先生」から一度電報が届きます
「会いたい」という内容のその電報に「私」は、父の状態を伝えたうえで、東京には戻れないと返事を出します。

やがて父が危篤となったとき、「私」の元には「先生」から長い手紙が届きます。
それは「私」が実家に帰る前に聞くことができなかった、「先生」の「暗い影」を生んだ過去についての手紙だったのです。

やがて「過去」を教えてくれると約束した「先生」は、なぜ「手紙」で急に伝えてきたのか

「先生」の選択

「先生」は「手紙」で、「過去」での恐ろしい選択と行動を明かしています
その選択は物語の中核なのでここには書きませんが、自分だったら果たしてどうしていただろう、と思わせられるものです。

しかも「先生」はかつて似たようなことを「信じていた他人」からやられて、深く傷ついた経験があります。
同じことを「自分を信じている他人」にやってしまったとき、「先生」はどう考えたでしょうか?

「先生」が感じた後悔や絶望は、想像の中でさえ、あなたの身に迫るものがあるはずです。
だからこそ「こころ」は名作と呼ばれるのでしょう。

「こころ」のまとめ

「こころ」の紹介でした。

この小説は本当に「暗い小説」になっています。
だけどその「暗さ」は、「人間の心」を考える上で、避けては通れないものになっています。

ぜひあなたも「こころ」を読んで「先生」の選択と「人間の心」について、考えをめぐらせてみてください。

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